~刹那さ~ Summer where you are not
俺には大切な彼女がいる、しかし、彼女は来年の夏この世界にいるかわからない。そんな事を考えた事も無かった。しかし、それは逃げられない現実なんだ。
2004年夏
日々
彼女「きゃはははっ冷た~い。」甲高い声が夏の暑さを忘れさせる。
彼女「ほらー峻(しゅん)くんもこっち来てみなよぉー。」無邪気な声が俺をあおる。
峻 「何してんだ夏香?(なつか)」少し意地悪そうに俺が夏かに問いかけた。
夏香「もぉぉぉー見ればわかるでしょー」
峻 「判らん!何をしてるんだ?」
夏香「むぅーアイス食べてるんだよぉ!!」
峻 「見れば判る!で、何でそんなにハイテンションなんだと聞いてるんだ。」 こんな会話は普段通りといったところか。
夏香「このアイスね、伸びるんだよ!凄くない!?」子供のように無邪気な彼女
峻 「はいはい、食べ物で遊ばないでね。そろそろ行くぞ?。」子供達が物珍しそうに※ソレ(夏香)をみている。 俺は、いい加減恥ずかしいのでここから退散したくて仕方なかった。
2004年夏
夏祭り
ガヤガヤ・・・夏香「ぉー人がいっぱいだぁー。」 毎年の事ながらこの言葉が耳に入る。
峻 「なぁ?お前去年も言ってたぞ?」
夏香「そうだっけ、まぁ良いじゃない?今日はお祭りだし無礼講よ!」
峻 「はいはい・・・」 いい加減俺もあきれてしまった。しかも無礼講の意味も少し違う気がする。 呆れながら目を少し離した隙に夏香が今居た場所から居なくなっていた。 少し人ごみの中に目を凝らすとラムネの看板の前に瞳を輝かせる夏香が見えた。 夏香「ねぇ!ラムネだよ!飲もう飲もう~。」
峻 「ぉお、そういや少しのどが渇いたな。」 朝からまともな水分を摂ってなかったせいか喉が渇いていた。
夏香「峻・・・ラムネって綺麗だよね。私このラムネの中のビー玉がスキなんだ。」 急に夏香の口調がかわる。
峻 「・・・そうなのか?ビー玉かぁ。」 峻は少し考えて昔のことを思い出す。
峻 「なぁ、ビー玉欲しいか?」
夏香「うん、欲しいなぁ・・・これ子供のとき全然中からだせなかったんだぁ。」
峻 「みてろよ、ここのなゴムをはずして取り出すんだ。」 手馴れた作業で、すぐにビー玉をとりだす。
夏香「峻、アリガトウ。」 頬を少し赤らめ夏香はつぶやいた。
峻 「いや、大したことして無いだろ?」 少し改まってそう切り出す。
夏香「ちがうの、お祭り一緒にきてくれて・・・アリガト」
峻 「・・・あたりまえだろ。」
夏香「大切な・・・」
そのとき川べりのほうで大きな花火が打ちあがる。夏香「花火だぁ!」 このときには普段の彼女にもどっていた。
峻 「お前って・・・ぷっ・・・あはははは。」 峻は夏香の急変のしように耐え切れず笑ってしまった。
2004年秋峻 「おーし明日から文化祭だぁ!気合入れて行くぞー!」 もともと行事好きの俺はこういう時は気合が入る!
夏香 「本当に峻はイベント好きだねぇ~。これくらい勉強も気合が入ってればいいのに・・・」
峻 「夏香!お前は解ってない!行事ってのは一人がサボれば皆に迷惑が掛かるが勉強はしなくても 自分のせいなんだよ。」
夏香 「まぁ、確かにそうよね。まぁいいわ!なんか私も気合が入ってきた!」
峻 「そう!その調子だ一緒にがんばろうぜ!」
そして、文化祭が始まった。
峻 「いらっしゃいませぇぇ!!美味しい焼きおにぎりはいかがですかぁ!?」
サブA 「峻、気合はいってるなぁ~そんなにまじめにやったって俺たちに利益は無いんだぜ?」 そう、この文化祭で売れた売り上げは募金されて世界の恵まれない子供たちに半分寄付されるのだ。
サブB 「だよなぁー働くだけ損だよなぁ・・・金にもなんねぇしさ、馬鹿馬鹿しい。」
峻 「でも俺たちが利益を出せば出すほど救われる人もいるんだぜ?なぁ夏香?」
夏香 「で?私は何でこんな格好な訳?よりによってなんでテニス服なのよ?」
峻 「まぁ、メイド服とかだとやっぱあれだろ?かといって浴衣とかはな、時期がさ。」
サブA 「まぁ商売上手な峻さんの意見なんで俺たちは関係ないですよ?」
途中続きを書く
2004年冬
クリスマス前
夏香「寒いね~峻。」
峻 「おう・・・俺は寒いのが苦手なんだよ・・・」
夏香「峻さぁ・・・クリスマスとかは友達と過ごすの?」 峻 「特に予定は無いな。」 本当はそんなことは無かった。ただ峻は友達の誘いを断り 今年は夏香と過ごすと決めていたのだ。
夏香「そっか、私は今年のクリスマスは・・・一人でするから。」
峻は驚いた。てっきり、クリスマスのデートの誘いだと思っていたからだ。 峻は気になり、理由を聞こうとした。
峻 「んと?えーと・・・他に相手がいるとか?」
夏香「馬鹿・・・そんなことはないよ。一人で過ごすの・・・」 どこか悲しげな夏香の言葉
峻 「俺さ今年はお前とクリスマスやりたくて予定あいてるんだぜ?」 峻は誘いが来るものと思い、話をきりだす。
夏香「・・・じゃそういうことだから。バーイバーイ」 夏香は少し笑いながら話をそらす。彼女の笑みには少し悲しさすら感じた。
2004年冬
クリスマス
あの別れから夏香とは会っていない。それどころか連絡も来ない。 普段なら、1時間に5回は携帯がなるはずだ。心配になり夏香の家をたずねた。
峻 「おばさん!夏香はどこにいきましたか!?」 母「・・・」口を開こうとしない。そのとき父親が出てきた。
父「峻くんか、君には話さなきゃいけない事があるんだ・・・。」 冷静な口調で父親が話を切り出す。
父「夏香は病気でいま病院にいる。」 口調に変わりは無い。
峻「いったいどうしたんですか!?」 冷静さを失い大声がでてしまう。
父「あの子は小さいときから体が弱いんだよ。君も知ってるね?」 確認するような口調で問いかけてくる。
峻「はい。それは存じ上げています。」 多少正気を取り戻す
父「あの子は今まで頑張ってたんだよ・・・」 父親から冷静さが消える
峻「といいますと?」
父「お医者様が言うには少し頑張りすぎてしまったらしいんだ。」
峻「・・・」
父「あの子は君の事をまっていると思う・・・行ってやってくれ」 直接聞かせたいのかそれとも自分からは切り出せないのか病院の場所を教えてくれた。
峻「有難う御座います!」 一礼してその場を走って立ち去る。
峻(一体何が起きているんだ・・・病気ってなんだよ!体が弱いだけじゃないのか!)
2004年冬
クリスマス:病院にて
峻「はぁはぁはぁ・・・」 酷く疲れた、全力疾走で走ってきたからだろう妙な胸騒ぎはなんなのだろうか・・・
急いで夏香のいる病室へ向かう・・・
峻「・・・」夏香の状態をみて言葉を失う
体中に心電図のものだろうかケーブルがつながれている。病室には心電図の心拍音が響いていた・・・
峻 「なんだよこれ・・・」 言葉にならないような小さい声で呟く峻はそっと夏香に近づくそして別途から少し出ている手を握った。
・・・・・・・・・・・・・空白の時間・・・・・・・・・・・・・・
それは何時間だっただろうか、きっと1日経ったかもしれないしかし、その時間は短いものだった1時間か2時間というところだろうか。長く感じた空白の時間に終止符がうたれる。
夏香「しゅ・・・ん・・・?」 あまり声が出ないのだろうか声が詰まっている。
峻 「あぁ・・・俺だよ夏香。」 安心させようと優しい声で語りかける
夏香「ごめん・・・ね・・・こんな格好で・・・クリスマスなのに」
峻 「いや、俺はかまわないよ。それより夏香大丈夫なのか?」 夏香「私ね・・・もうだめなんだって・・・すこし頑張りすぎたんだってさぁ・・・」
夏香「私・・・峻に嫌われない・・・ように・・・ねぇ」
夏香「頑張ったんだよぉ・・・お洒落したり。デートしたり、楽しかったなぁ・・・」
夏香「そうだぁ・・・引き出し・・・」 思い出したかのように夏香がベッドの横の引き出しを指差す峻は迷わずベッドに近づき引き出しを開ける。 そこには、特に何も入ってなかった。
峻 「ぉぃ、何も入って無いじゃないか。」 峻が泣きそうな声で夏香に話しかける。
夏香「奥の・・・方に・・・」
峻はすぐさま奥のほうをのぞいた。フイルムケースが入っていた。
峻 「これか?」 峻はそのケースを弱りきった夏香の手に乗せた。夏香はフイルムケースをあけようとするが手に力が入らないらしく開かない。 峻はその姿をみて夏香がかなり衰弱していることに気づいた。
峻 「おれが、開けてやるから。」 細い手からフイルムケースを取り開ける。そこには夏祭りで夏香にあげたビー玉が入っていた。
夏香「わた・・し・・ね・・・嬉・・・かった・・・んだぁ・・・」
峻の頬に涙が伝う
峻 「おう・・・」
夏香「峻・・・あり・・が・・と・・・う・・ね・・・」 疲れてしまったのか夏香は目を閉じて眠ってしまった。
峻 「また来るから良くなれよ・・・」 そう言ってその場を去った。 その帰り道、峻は泣いていた、何で夏香がこうなってしまったのか。 なんで・・・・なんで・・・・
2005年夏
夏祭り
色々あった。でも楽しかった日々だった気がする。思えば泣いたり笑ったり忙しい日々だった。 でも充実した毎日だった。夏香のおかげで。
街を通ればお祭りの出店がでている。去年と同じ風景だ・・・
いや、違う、去年とは違う。確かにいたはずの・・・去年は確かに隣にいたはずのアイツの姿が無い
そう、夏香は夏の風が吹くより先にこの地を去ってしまった。
でも、アイツはきっとどこかで、あの笑顔を見せているに違いない・・・
俺は去年のビー玉を握りしめ、出店をまわった。
あふれ出す思い出の数々、アイツとは昔から夏祭りに来ていた。
でも、今年は・・・一人の夏祭り
記憶は擦れ行くもの。でも、俺はアイツのことを忘れることは無いだろう。
このビー玉に秘められた想い出は年を重ねても残り続けるだろう。
そう、夏香はラムネのビー玉のごとく、この世界(ビン)のなかから出て行ったのだ。
夏香という想い出はビー玉に秘められている。
知らない人が見ればただのガラス玉かもしれない、しかし
俺には忘れることの出来ない大きな想い出のつまった小さなビー玉。
その時だった「ドーン」花火の打ちあがる音がする。
夏の風にあおられ散り行く花火を俺はビー玉にすかし眺めながら最後の言葉を想いだしていた。
夏香「大切な・・・大好きな人、私は我侭だったかもしれないけど、貴方が大好きでした。貴方にあえて私は本当に私は幸せでした。また峻と遇えたらいいなぁ。」 花火は夜空を輝かせ、すぐに消えてしまう、一瞬の輝きの中に人は色々な想いを抱く。 夏香は花火のように俺の前から消えてしまった。しかし、その想いは消えることはない。 今まで、ありがとう。
---As for the last words, thank you--- ~Fin~
まぁあれですわ^^;。
もっと上手くなりたいですわT-T言葉の表現が難しいのはわからないからなぁ・・・
©sikino